膝の手術した後は‥ 人工膝関節置換術(TKA)後の理学療法について!

前回の続きで、TKAの手術とその後のリハビリについて書いていきます。
(更新しました! 2017.8.18)



TKAで手術侵襲を受ける部位



TKA 侵襲部位
標準整形外科学から
TKAの侵襲部位は大きい


・皮膚、皮下組織



・筋、筋膜、筋繊維、腱



・靭帯、支帯、関節包



・脂肪帯

靭帯はPCLが保存されているか否か、脂肪体は伸展時の制限因子になりやすいので注意が必要です。


TKAでの確認事項

・術前の状態
膝OA 術前
術前の状態が術後成績に大きく影響する

疼痛や拘縮の程度、筋力、日常生活や歩く状態など‥



・TKAの機種、タイプ、術式
TKA CR型
TKA CR型

TKA CR型 PS型
※広島リハビリ勉強会さまのHPより引用
大きく用いられるものとしては2つあり、CR型(非制御型)とPS型(半制御型)があり、CR型はPCLを保存する役割があります。




PCLが保存されることで、膝屈曲時のロールバック(転がり運動)が保障されます。


・術中の最大関節可動域 (術中角度)



・目標とする歩行やADLのレベル



・患者さんの性格



きっとこの他にもたくさんあるとは思いますが、特に術前の状態の確認は重要だと感じます。



また、積極的に自主トレなどを行って頂ける患者さんなら、改善も早くなるので性格というファクターも大切ではないでしょうか。




TKA施工後の時期に応じたアプローチ

急性期・炎症期

この時期は術直後で癒着などは存在しないため、可動域制限は物質的には存在しないことになります。





ですが炎症反応が著名であり、熱感・発赤・腫脹・疼痛などが多大に見られる時期になります。





無理に動かそうとすれば、痛みによって筋肉のこわばりを増強させ後々筋肉性の可動域制限を出す原因にもなりかねません。(防御制収縮による筋肉のスパズム増悪)






また、切開した部位では皮膚の回復が最も早く、術部の皮膚はとても硬くなっていきやすいです。

TKA 術創部
術創部付近の柔軟性低下は、可動域制限の大きな要因となる



大切なのは、


❶疼痛を増悪させないこと



❷皮下の癒着を作らないこと



となります。


疼痛のコントロールにはRICEや薬剤を用いる他、相反抑制や反回抑制などを用いて運動を行いながら筋へのリラクセーションをかけることもあります。




またTKAによる皮膚の可動域制限ですが、癒着の他に表皮に対して機械的刺激を加え過ぎると皮膚がケロイドのように腫れてしまうことがあります。




そのため可動域制限を起こさないようにするには、




2週間以内は創部に刺激を与えないことが大切!
(皮下の滑走改善や、腫れの軽減、筋肉の収縮を用いた組織間の滑走改善を中心に)





そして膝蓋骨上下部分の皮膚組織の可動域を長軸方向に引き出すと屈曲可動域は得られやすいです。







そして2週以降は、創部を含めた皮膚全体の動きを引き出すようにしていきます。






特に屈曲の際、筋や皮膚は横に広がるように伸長されるので横断性の組織の可動性も重要です。

膝関節 エコー 短軸
伸展時は短軸エコーではVMのボリュームが大きく見えるが(赤)、
屈曲時は内側に広がるためVMのボリュームが小さく見える。


亜急性・修復期

この時期は炎症による疼痛が治まってきて、筋出力が向上してきます。





また拘縮形成が始まる時期でもあるため、





・エクステンションラグを作らない!
(ラグがある状態で歩行などを進めると伸展制限の原因になりやすい印象あり)


・屈曲拘縮の改善を図る!



・脱力も含めた動的筋収縮の改善



・動的活動性の改善




がポイントになります。




完成期・安定期

回復期に上がるのがこの時期ではないでしょうか。





つまりより、activityにアプローチしていく時期になってきます。






変形性膝関節症における疼痛とは?

▷いつ?
安静時? 運動時? 圧痛はあるのか?



▷どんな時?
歩行? 階段の昇り?降り? 



▷どこが?
内側? 外側?  前? 後ろ?
痛みの範囲は一本指の範囲? 手の平くらい? 放散痛?





特に圧痛には再現性があるかを見極めることはとても重要です。



変形性膝関節症の機序

変形性膝関節症 ステージ
Kellgren-Lawrenceの分類が日本では用いられる

正常膝では大腿骨骨幹部は内側凸


⬇︎


外側凸の彎曲に変化


⬇︎


大腿骨課部傾斜角度が減少


⬇︎


機能軸が内側へ移動


⬇︎


内側OA膝発症の引き金になる。



実際に大森ら(MB Orthop16[13],2003)の報告では、膝OAのアライメント変化として、大腿骨外彎、脛骨前彎、FTA増加、内側関節裂隙狭小化、屈曲拘縮増加、下肢荷重線の後内方通過、下腿の内旋が認められたと発表しています。





○OA膝の疼痛発生メカニズム

内反膝に伴う機能軸の内側移動


⬇︎


膝に加わる内反トルク増大


⬇︎


体幹の代償運動による患側への側屈


⬇︎


薄筋の過剰収縮


⬇︎


鷲足の付着部にストレス➕



⬆︎

これに膝屈曲拘縮も関与



というメカニズムが成り立ちます。



臨床的にも、この部位の圧痛は非常に多く、圧察を加わるだけでも歩様が変化することがあります。





OA膝の疼痛の特徴


歩行時痛➡︎脛骨大腿関節が原因



階段及び起立と着座➡︎膝蓋大腿関節



膝の屈伸運動ではPFに非常にストレスがかかることは以前のブログにも書きましたのでそちらもご参照下さい。





基本的には膝蓋大腿関節の場合は膝蓋骨のアライメントがずれているとストレスがかかることが多いため、大腿直筋や外側広筋の柔軟性低下や膝蓋下脂肪帯の固さなどにとても影響を受けます。




変形性膝関節症へのアプローチとしては、



軟部組織の固さを取り、その上で筋力増強を行なうことが大切になると思います。



2018年12月6日(木)膝関節に関してのセミナーを開催します!!

僕自身は現在、TKA術後患者さんやACL再建術後や半月版縫合術後の方などを多く担当しています。


この記事に書かれていることに加えてさらに奥深く、膝関節のことを私に教えてくれた方を講師にお招きし、セミナーを開催させていただくことになりました!

            

今回は構井先生に

・膝関節を評価する上で必要な機能解剖

・膝関節周囲の組織の触診

・膝関節周囲筋に対してのアプローチ方法

・膝蓋大腿関節へのアプローチ方法

・競技復帰までのアスレティックリハビリテーション 
・・・etc

など内容盛りだくさんでお話してもらえるようお願いしました。


先生自身、訪問リハでもご活躍されているので、スポーツ選手から高齢者にまで応用できること間違いなしです。


詳しくはこちらの記事へ。
参考記事「若手セラピスト・トレーナー対象の講習会「機能解剖と運動学から学ぶ!アスリートに対しての膝関節理学療法 膝関節術後の急性期~アスレティックリハまで

スポーツ現場でのサポート活動もされており、メディカル・現場・介護保険領域と多岐にわたる活躍をされている構井先生の話を聞ける機会はめったにないですのでこの機会をお見逃しなく・・・
(僕の身近で一番膝に精通している人ですので!)


開催場所・費用・定員

場所:大阪市立住まい情報センター5階会議室

費用:5000円(学生は3000円)

定員:20名(学生最大6名まで)

※開催実施最少人数:10名

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