水泳の動きを力学的に解説。水泳のバイオメカニクスについて

水泳トレーナー会議の基礎研修会の内容をまとめていきます。




今回は水泳のバイオメカニクス。



基本的な動作でもバイメカは大切ですが、スポーツ動作でも大切ですし水泳でもとても大切。


今回ご講義いただいた小泉先生も、その大切さをお話されていました。




水中での力学

水の密度・水圧・浮力


真水は1000kg/立法メートル(約4℃の時)であり、これは空気の785倍です。




水圧=密度×深さ×重力加速度で表されます。




浮力はアルキメデスの定理でこう表されています。

「物体が水中で受ける浮力の大きさは、水中にある物体と同じ体積の水の重さと等しい」

計算式で表すとg(重さ)/立法メートル×物体の液体中にある体積(立法メートル)



人間が水中に浮くためには、その人が受ける重力が浮力を下回る必要があります。



人間の中には重力をうける中心点の重心と、浮力の中心となる浮心があり、この2点が近いと浮力を得ることができます。

水泳 重心 浮心



逆に浮心と重心の位置が離れてしまうと、浮力を生み出すことができません。

水泳 重心 浮心



浮心を重心に近づけるための方法として、


①上肢の筋力を向上させる
重心が下がると、足が下がり上肢の屈曲角度が減少します。


つまり、上肢挙上の力を強くすれば重心が上がり浮力が得られます。




②胸郭柔軟性を向上
胸郭が開くようになると、ストリームラインの際に重心が浮心に近づいてきます。
(浮心が下がる)



競泳選手はこの胸郭(肩甲帯や肋骨の可動性)が非常に硬くなりやすく、この部位のケアが必要です。



それが障害予防・パフォーマンス向上につながっていきます。




流体抵抗

水泳は他のスポーツと異なり、水圧や水の抵抗浮力、揚力など陸上競技とは異なる力を受けます。


抵抗の種類として、造波抵抗、圧力抵抗、摩擦抵抗があります。



水の抵抗はスピードの2乗に比例します。



速く泳ぐためには、抵抗を避ける技術(適切なストリームライン)と抵抗に負けない力(筋力)が必要になります。



揚力

体を境に上の流れと下の流れが生まれます。


その際に流速の違いから速く流れる側=上部へ体が浮きあげられる力が発生します。



揚力は推進力の一部となり、キックやプルによって生み出されます。




泳動作(ストローク)


ストロークでは、体幹を基軸として上肢・下肢を使用し推進力を得ます。



上肢への依存度は


クロール60~70%、背泳約60%、バタフライ約50%、平泳ぎ30~40%とされています。



また、水泳肩は投球障害に似ているといわれていますが

投球動作の肩の角速度=6000deg/sec


泳動作の肩の角速度=80deg/sec



であり、肩への負荷は投球の方が圧倒的に大きいです。



ですが、泳動作は1日10000mにも及ぶこともあり1日で4000~5000回腕を回しており、オーバーユース障害が生じやすいといえます。




そして、泳動作の上肢筋活動量としてオリンピアンは広背筋と上腕三頭筋の筋活動量が主ですが、大学選手では三角筋と僧帽筋の活動量が大きくなっており、一般的なスイマーでは肩関節により障害が起こり安くなっているのかもしれません。




僧帽筋上部繊維の活動が過剰になり肩甲骨の上方回旋となり、上腕骨が求心位とならず(パワーsquareが取れない)後方タイトネスからのインピンジメント症候群や上腕二頭筋炎につながっていくと考えられます。



また平泳ぎは、上肢への依存度が少なく下肢有意の泳ぎです。


平泳ぎのウィップキックは、股関節内旋かつ膝関節外旋という本来の膝関節とは逸した動きをとるためMCL損傷や外側半月版損傷が生じやすいとのことです。



また水泳関連の記事も書いていきますが、次からはしばらく脳画像の記事でも書こうと考えています。

クリックすると、ランキング投票になります。
よろしくお願いします!

にほんブログ村 病気ブログ 理学療法士・作業療法士へ
にほんブログ村

こちらももしよろしければ・・・


理学療法 ブログランキングへ

0 件のコメント :

コメントを投稿

LINE@やってます!
ブログの更新情報・セミナー情報など配信します!
友だち追加