研究を行う上で、避けて通れないのは統計だと思います。
t検定くらいであればエクセルでも計算可能ですが、より複雑なものが必要になる事もしばしばありますよね。
私は今回、研究の結果をまとめて初めて世に学会で発表する機会を得ることになりました。
臨床7年目にして初めてです。
多分かなり稀やと思います。笑
多分、療法士って
・アカデミックな活動(学会発表や論文執筆)を頑張る
・技術的な勉強(ボバース・PNF・徒手療法)を頑張る
・その他の活動(トレーナー・地域のボランティア・ブログ)を頑張る
・ビジネス(起業・製品開発)で頑張る
・何にも頑張らない。
くらいに分かれると思います。
(この辺の話はまた今度書きます。)
この中で僕は自分で一番頑張ってるのは技術的な勉強、ついでその他の活動だと思います。
つまりアカデミックな部分は全くおざなりにしていたわけです。
(ちなみに研究は学生時代以来。t検定と相関関係しか使った憶えがない)
今回、アカデミックな活動を行う上で避けては通れない「統計」についてと、非常に優秀なフリーソフト「HAD」について書いていきます。
統計処理には処理ソフトSPSSが必須。だけど・・・
今回僕の検定のテーマは「超音波エコーを用いた新たな評価方法の再現性の検討」。つまり再現性の検証が必要になります。
この再現性の検証の際によく用いられるのは級内相関係数と言うものです。
※引用 理学療法士協会
ある検査の検者内または検者間信頼性(再現性というときもあります)の指標として用いられます.ICCにはCase1,Case2,Case3の3種類があります.Case1は検者内信頼性を表す,ICC(1,1)やICC(1,k)というものです.Case2は検者間信頼性を表す,ICC(2,1)やICC(2,k)というものです.Case3は検者間信頼性を表す,ICC(3,1)やICC(3,k)というものです.Case2とCase3の違いは,Case2は絶対一致を調べるもので,Case3は相対一致を調べるものです.
なるほど!
それじゃあ計算式を調べてみよう!
と、ググっていると統計で有名な弘前大の対馬先生が記載された資料にヒット。
1 人の検者が複数の被検者を評価したときの検者内信頼性(Intra-rater reliability)を知りたいときに用 いる式が Case1(表 1.1 中,一要因の変量モデル)の ICC(1,1)と ICC(1,k)である.いま,1 人の検 者が r 人の被検者に対して k 回繰り返し測定を行ったとすると測定値 x ij は,xij=μ + Ti + Wij (3.14) (μ:期待値,Ti:被検者 i の効果,Wij:被検者 i の j 回目の測定誤差,i = 1,2,...,r;j = 1,2,...,k)のような構造モデルで表せる. それぞれの項の分散値は,σ x2 = σ T2 + σ W2 (3.15) となる.結局求めるものは全体的な分散 σT2 + σW2 に対する真の値 σT2 なので,σT2 ρ = σ T2 + σ W2 (3.16)である.この(3.16)式は検者内信頼性を求める ICC(1,1)である.これを求めるために表 1.1 中の BMS, WMS を利用すると,Case1 における BMS,WMS の期待値は,B M S = k σ T2 + σ W2 (3.17) W M S = σ W2 (3.18)となっている.(3.17)式と(3.18)式からσT2=(BMS-WMS])/kが導かれ,これらを(3.16)式に代 入すると,ICC(1,1) = (BMS-WMS)/k (BM S - W M S)/k + W M S
・・・ナンジャコレイミワカンナイ((((;゚Д゚)))))))
世の中の理学療法士、これわかるのか?天才じゃね?とか思ってましたがよくよく周りの研究している方々に話を聞いているとSPSSと言う統計処理ソフトがあってそれに数字打ち込んだら余裕やで!とアドバイス受けました。
で、SPSSを調べてみると。
・・・まじか。
母校にはSPSSがあると言うことは聞いたのですが作業は家か職場でするのが基本。
何とかならんのか・・・と思った時に光明が。
それはHADと言うハイスペックなフリーソフトにググっていくうちに辿りついたことです。
HADとは?
関西学院大学社会学部の准教授、清水裕士先生が開発されたフリーソフトです。統計分析ソフト HAD
清水先生は社会心理学という分野を専門にされています。それとは別で統計処理ソフトのHADを開発されています。
HADのベースはエクセルを使用されており、使いやすい印象です。
差の検定はもちろん、回帰分析やマルチレベル分析など本当にさまざまな統計学的分析に用いることが可能です。
しかもSPSSとの互換性もほぼ問題ないとの事です。
私のような研究初心者や大学生の卒論作成などにも役立つように説明書があり、この統計はアブストや論文ではこうやって書く・・・みたいな説明まで書いてくれています。
親切すぎる。泣
このようなソフトを作ってくれた清水先生に感謝しかありません。
このソフトの説明書通りに数字を打ち込むと10秒くらいで級内相関関係数ICCを導くことが出来ました。
すごいよ。HAD。
説明書を読むだけでも、統計の勉強になります
HADとは今後も長い付き合いになりそうです。理学療法における統計処理はHADでほとんどこなせるのではないかと思います。
その一方でSPSSとの互換性に問題は無いが、ジャーナルなどの投稿ではSPSSを用いることを推奨されておりHADはあくまでフリーソフトとして、SPSSを用いれない若手研究者や大学生を対象にされているとのことが明記されています。
説明書もクオリティが高くて、この結果はどんなものを示しているのかなどがわかりやすいです。教科書よりも簡単かも。
関西学院大学の水泳部トレーナーをしている縁?もあるので、いつか清水先生に感謝を直接御礼を言う機会が欲しいですね。
HADを作って戴きありがとうございます!
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