3週間という長丁場の講習会で、今月はまず2週間のコースになります。
これからベーシックコースを受講しようと考えている方、ボバース概念を学ぶか迷っている人のために一連の流れを書いていきます。
●2週間のながれ
最初はひたすら座学でPostural Controlの話や、感覚の処理の仕方および促通の考え方、運動発現のための下降路のこと、運動学習についての講義を受けていきます。
実技では最適な立位(Optimal Standing)、立位の中断(Stop Standing)を行いました。
実技は非常に難しく(想定の範囲内。健常者相手でも難しい。)
そこからの最適座位(Optimal Sitting)、Back in Space、Avtive Supine(活動的な臥位)にもっていく。
※個人的には、Active Supineは非常に使えます。理由はこの後。(笑)
臥位では足部活性化をおこなってからCrook Lying(片膝立ち臥位)に持っていき、中殿筋・大殿筋・ハムストの促通していく。
・・・・書いてましたが、この後の流れを書くと非常に長いですが。
ほかには
・側臥位での下肢(殿筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋との連結を図る)
・側臥位で上肢の連結をはかる
・そこから促通した上肢で起居誘導
などさまざまです。
そして1週目最後の金曜日から、実際に患者さんに対しての治療実習がはじまります。
この際は2人1組になって行います。
そして最終日まで治療を行い、途中で受講生全員の前で治療デモを行い解説および発表を行わないといけません。
●どんな人が受講している?
やはり周りの方を見ていると、入職当初からボバース概念を学び続けている人が多かったです。経験年数はさまざまで大道会スタッフは大体3~5年目の方、他は5年目以上で最も経験年数が高い方が12年目でした。
僕自身はちゃんとボバース概念を学び始めたのはここ1年だけなので、専門用語?の理解に時間がかかりました。
例でいえば
COM=質量中心
BOS=支持基底面
CNS=中枢神経システム
SLP=ストレートラインパスウェイつまり身体がまっすぐかどうか
APA=先行性随伴性姿勢制御
CHOR=手をおいたらそこから情報を拾うっていう考え方
・・・まだまだあった気がしますが、これらの言葉がめっちゃ飛び交います。(笑)
ちなみにクリニカルリーズニングをする時、受講生はみんな「動作観察」はしますがあまり「動作分析」は行われません。
僕自身は、ボバース概念以外にも脳画像・脳機能の勉強を独学で行いました。
また技術を磨くためにPNF・SJF・ドイツ徒手医学などを学びました。
これらの知識で得たことを皆の前で言うとかなり浮きます。(笑)
ボバース概念で大切にしていることは「Postral Set」つまり姿勢コントロールをベースに考えているということです。
簡単にいうと、これを良くすればなんとかなる。
という考え方です。(僕の偏見です。実際に受講生はこのことをクリニカルリーズニングでベースにしている人が多かったです。)
確かに姿勢コントロールをベースに考えることの大切さは今回とても学べました。
問題はなぜ姿勢コントロールが大切なのか?
他の方の受講生発表の時に、肩の痛みがある患者さんだったのですが
「肩関節の痛みは、体幹のLow toneから来ています」
といった人がいましたが、これって
現象1は現象2から来ています
といった具合に現象を現象で片づける人が非常に多かったです。
ちなみに、肩関節の痛みに関して後方タイトネスやObrigate Transrationの評価や脳画像や神経生理学による評価および治療のことを質問してもあまり聴きたい答えは返ってきませんでした。
※ちなみにこの後インストラクターの人が答えてくれて、なるほど・・・と納得しました。
大体質問では、治療の方法や手段などHow toのことばかりでしたのでなんか
ボバース概念のなかで用いる徒手的なテクニック
を学びに来ている人が多かったのかな・・・と思いました。
●ボバース概念の良いところ
それでも僕はボバース概念が大好きです。姿勢コントロールに関する評価治療の考え方は本当に、素晴らしいです。
体幹にたいするアプローチ方法は実に成り立っています。
ADLにつながりにくいじゃん・・・・って考えている人もいるかと思いますが、
僕がボバース概念でもっとも強いと思っているのは
ベッド上動作に対してのアプローチがある!!
というところです。
課題志向型でのアプローチをおこなっている方々はそれはそれで素晴らしいし、僕も大いに利用しています。
ですが、起居動作や寝がえり動作に対しての有効なアプローチでは、神経生理学的アプローチ(ボバースやPNF)にかなうものは正直無いと思ってます。
患者さんの個別性を重視してアプローチを提供できる。
それがボバース概念です。
タイトルにもある
What is your final limitation?
これはボバース概念の評価項目にある言葉で意味は
「治療者であるあなた自身の限界はどこですか?」
という意味です。
裏返せば
「患者さんに限界はない。限界はセラピストがつくっている」
ということです。
この言葉を聴いて、僕はボバース概念がとても好きになりました。
これからボバース概念を学ぼうと考えているあなた。
是非学んでください。
ですが、それ以外の知識は絶対に勉強が必要です。
それをしていない人が多いからボバース概念を嫌う人も多いんじゃないでしょうか?
だから、他の筋骨格の解剖学的な評価やバイオメカニクスでの考え方があれば、治療の幅が広がります。
ぼくはこれからも勉強し続けます。
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