最近PFの軟骨損傷を合併するACL再建術後のリハを担当しています。
今回はACL損傷とPFの軟骨損傷の関係性を少しまとめてみました。
※ACL➡︎前十字靭帯
※PF関節➡︎膝蓋大腿関節
ACL損傷とpf軟骨損傷の関係
以下は文献より。
・2000~2012年にACL再建術を受けた16歳以下(中央値14歳)の連続130例135膝についてレトロスペクティブに調査した。
軟骨損傷は17膝23ヵ所にみられ、危険因子は手術までの時間(p=0.005)および不安定性の既往(p=0.001)であった。
手術までの時間と不安定性の既往は軟骨損傷の重症度と関連した(それぞれp≦0.001およびp=0.003)。
【Anderson AF, et al. Am J Sports Med. 2015; 43: 275-281. Epub 2014 Dec 12.より引用】
若年層であってもACLを損傷するような外傷を負うと軟骨にも何かしら生じていることが多いみたいです。
ですが、損傷後長い期間を開けると軟骨損傷が進行する可能性があることをこの文献は示唆しています。
・膝屈筋腱を用いたACL再建術後の膝蓋大腿関節軟骨の変化を調査した。ACL再建術後 1 年以上経過し,再鏡視を行った 68 例を対象とした。その結果,ACL 再建術時にすで に 50%以上の症例に膝蓋大腿関節軟骨に何らかの変化を認めた。再鏡視時に更に 20~ 30%は進行した。特に 30 歳代以上の症例で軟骨損傷が進行することが多いことがわかった。
【日本理学療法士協会診療ガイドラインより引用】
一般的にACL損傷は女性の方が1.5倍程受傷する確立が高いと言われています。
診療ガイドラインから読み取れるのは、30代以上の女性の方はPFの軟骨損傷が生じる可能性が高いと言えるかもしれません。
また、PFの軟骨損傷はACL損傷の合併症だけでなく、ランナーズニーなどのオーバーユース障害などにも関与します。
(膝蓋軟骨軟化症と呼ばれています。)
リハビリテーションとしては、大腿四頭筋が硬いと軟骨にストレスを与えるので、そこに対してストレッチなどで柔らかくしていきます。
そこに、ハーフシッティングやパテラセッティング、ニーリングなど関節運動を伴わないトレーニングを行い大腿四頭筋の筋トレを行います。
痛みがなくなっていくにつれ、少しずつ負荷を上げていき最終的にはスクワットやランジなどのCKCエクササイズを実施します。
スポーツ中に膝の脱力感や、慢性的な膝の痛みがある方はスポーツ整形外科医や理学療法士のサポートのもとでリハビリテーションを行なう必要があります。
知識がある人のもとで、安全に怪我なくスポーツが行なえるように、理学療法士が地域のトレーナーのように活動していく様な世界にいずれしていきたいですね。
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