久しぶりにボバース概念の勉強会に参加してきました。
僕がベーシックを受講したインストラクターの、歴代ベーシック修了者が受講できる限定講習会らしいです。
こういった終了後のフォローがあるのは本当に助かります。
会場はボバース記念病院。
今回は患者デモの後に、実際に用いたハンドリングやクリニカルリーズニングのもととなる知識の講義と実技の練習でした。
熱が冷めぬうちに、しっかり記録しておこうと思います。
APA's(先行性随伴性姿勢制御)の役割と成り立ち
この講習会のタイトルにもなっているキャリーオーバー。
本当に難しいですが、そのヒントはやっぱり姿勢制御のなかにたくさんありました。
APA’sの役割は、四肢の運動による不安定な力に対して、また空間における体幹の方向付けのために体幹を準備することといわれています。
要するに随意運動を行うときに予測される体の乱れ・動揺にたいする準備活動です。
そしてその準備活動は重力に対して体幹を伸展させる活動(抗重力伸展活動)があります。
脊柱起立筋群に加えて、拮抗筋である腹筋群の活動(腹筋も伸展作用がありますが)や股関節伸展筋の共同活動によって重心を高く保ち脊柱・骨盤を安定させることが可能になります。
この作用によって質量中心(COM)を持ち上げることができ、重心の移動もより容易になり安定かつ活動的な状態になります。
一般的には内側系と表記され、橋毛様体脊髄路(皮質と小脳に影響を受ける)によってその活動は行われます。
ではAPA'sは何よって構築されるのか?
それがボディスキーマになってきます。
ボディスキーマについては以前にも記載したような気がするので、今回はそれを構築するための末梢の感覚受容器について詳細に書いていきます。
どのように刺激を各受容器に与えればいいのか?
ボディスキーマは様々な感覚によって常に更新され学習されていきます。
なかでも筋収縮による活動の影響はとても大きいです。
実際に筋紡錘の感覚によって身体図式の更新がなされるといわれています。
ですが、
・筋が短縮している、もしくは伸びきっている
・筋のボリュームが失われている、拮抗筋の活動が抑制・過剰になっている
・筋アライメント、関節のアライメントがストレートラインが取れていない
これらの要因によって筋紡錘の活動が非常に得られにくい状態に脳卒中の患者さん(あんまり疾患は関係ないかもしれませんが)はなっていると考えられます。
今回の実技で最初に介入すべき点として提示してもらったのはゴルジ腱に対してのもの。
ゴルジ腱の最大の特徴としては、張力によって反応、それもわずか1g程度の変化に対しても感受性があるといわれています。
張力なので、僕たちの徒手的な介入にもとても反応しやすいです。
ストレッチによるib抑制の効果もあり、かつ伸展筋のゴルジ腱からの入力は重力に関しての垂直軸に用いられる感覚の一部であるといわれています。
短縮している筋(今回の実技では座位でのハムストリングスや背臥位・側臥位での殿筋群)の筋腱移行部付近を把持しそれを引き離していくようなハンドリングを行いました。
またそれを行うことで拮抗筋にかかっていた抑制などもはずれていき、結果的に筋主力が増大⇒筋ボリュームの変化へとつながっていきました。
また主動作筋・拮抗筋ともに一度伸張位にもっていきそこからの求心性収縮を促す活動を行うことでさらに筋の強化につなげていきました。
そうした筋活動が得られることで、適切な筋緊張となりアライメントも適切になっていく。
今回教えてもらったのは
・肩甲骨下角が坐骨の直上にある
・第2中足骨と大腿四頭筋腱が直線状にある
・内側腓腹筋、内側ハムストリングス、坐骨が直線状にある
これらを適切に整えることで体はストレートラインに近づき、適切なボディスキーマを構築され末梢のプレーシングおよび随意運動の獲得につながっていくという流れでした。
2日間とても濃厚な講習会で刺激になりました。
色々な人に出会い、まだまだ未熟な部分がたくさんわかりました。
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