コアトレーニングだけ行っても・・体幹トレーニングと実際のパフォーマンスの繋ぎ方について

先日、大学水泳部の試合帯同を行いました。





兵庫県選手権ということで、小学生〜社会人まで様々な年齢層の選手が出場していました。






レース前やセース後の選手たちのコンディショニングやクールダウンを行っている中で、あることを感じたので書いていきます。


ドローインが上手い選手は多いが・・

今回の試合は、チームがインカレに向けて泳ぎ込みを行っている所であり、調整の一環で出場している選手が多かったです。





非常にハードな練習を行っているだけあり、痛みやだるさを抱えた選手が非常にたくさんいました。





痛みのある部位は基本的にはアウターマッスルに多く、インナーマッスルはあまり使用できてないことが多いです。





そのインナーマッスルの代表格が、コアスタビリティと呼ばれる筋肉たちです。



一般的に、腹横筋・腰背筋膜・横隔膜・骨盤底筋の4つのことです。






個人的には横隔膜との筋膜連結があり、脊柱と下肢を結ぶ唯一の筋肉である大腰筋もこれに加えていいと思います。







そしてこれらを鍛えるトレーニングとしてドローインがあります。






コアスタビリティの役割としては、それぞれの筋肉(ドローインでは腹横筋が特に言われる)が収縮することで、風船が縦に膨らんでいき体幹を安定させると言われています。






体幹が安定するにはこのコアスタビリティによる伸展活動が必要であり、重力下でのこの活動は抗重力伸展活動と呼ばれています。







この抗重力伸展活動がコアスタビリティたちによって行われることで、四肢への負担が軽減し、ケガの予防やハイパフォーマンスにつながると考えられています。






なのでスポーツの現場でもこのドローインはよく指導されていて、選手たちも実践してくれています。





ですが、実際には選手達は小さな故障や体の重だるさなどを抱えており、うまくコアが使えているとは言えませんでした。







鍛えたコアをパフォーマンスに反映するには?

選手たちにドローインを支持すると、非常に上手に行います。






そして、競技中にもドローインを意識しながら行ってくれていました。







この意識しながら行うという所に大きな間違いがあると思います。





ドローインの上手な選手達に、コンディショニングの一環でドローインをキープしたままヒップアップ(お尻あげとかブリッジともいうかな。下図参照)



すると、ほとんどの選手にフォームの乱れや疲労感の訴えがありました。





コアスタビリティの筋肉は、随意的な運動の実行前に大脳皮質の運動前野から皮質橋網様体脊髄路を介して体幹の抗重力伸展活動を行います。




これは当然ながら無意識下で行われる活動になります。





これをドローインでは無理矢理意識下で行ってコアを発火させますが、あくまで意識の中での運動であり、これだけではただドローインが上手くなるだけです。





このドローインをパフォーマンスとして発揮するためには、






ドローインをキープした状態で各競技で用いられる動きやトレーニングを低負荷でまずは行っていく



この手順を踏むことで、運動学習の手順も踏むことになり実際のパフォーマンスにもつながると思われます。





ドローインを練習して、いきなり試合のような高いレベルで運動を行ってもそれまでに学習されたパフォーマンスを大脳基底核や小脳で選択されることにはなりません。






先日の試合ではこのトレーニングを行い、PNFを用いて全身の運動連鎖をさらに賦活するようにコンディショニングを行った所大半の選手は





「かなりの量を泳ぎ込んで疲れもたまっているはずなのに、予想以上に泳げた。」





と、言っていました。





まさかのベスト更新の選手も数人いました。







前回のパーキンソン病の記事にも書きましたが、やはり運動を処方したりコンディショニングを行う仕事では姿勢制御の仕組みは間違いなく知っておいた方が良いんだろうな。





そう感じた1日でした。

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